帰りのロマンスカーの中で、おばさんがおもむろに缶チューハイを取り出し…
ぷしゅっ!!
しぶきがちょっとだけ顔にかかる。
おばさん「(蚊の鳴くような声で)す、すいません…」
オレ「は、はあ…。」
おばさん「ぐじゅる、ぐじゅび…、じる(飲んでる音)」
しばらくして…
くしゃこ!!(缶をつぶした音ね)
またしばらくして・・・
おばさん「すいません、フタ開けてもらっていいですか?」
差し出されたのはペットボトルのお茶…。
お、おま…。
缶チューハイのフタは開けられても、空き缶はつぶせても
ペットボトルのフタは開けられんと?
まあ、開けましたよ。開けて差し上げましたよ。
別にイヤとかそんなんやなくてね。
なんやろ、うん…(笑)
町田までの30分間、何というか形容し難い空気が流れてました。
座席指定って、乗り合わせる客で随分気分が違うよね。
この前、たかちゃんと夏織ちゃんの結婚式の日は、新宿に向かうロマンスカーで断続的に
独り言をしゃべるおっさんが乗ってて…。
多摩川渡ったあたりで
「東京か~、ちくしょう…」
えええええ?
その直後、一人の男性がデッキに向かって通路を小走りに駆け抜けていったのよ。
恐らくおっさんの隣の席やったんやろね。
ほぼ満席で他の席に移動する事も出来ず、かと言っておっさんは具体的に迷惑をかける
ほどの大声でしゃべってる訳ではないので、車掌にも文句言えずってとこか。
やむなくデッキを選んだわけやね。
その後も断続的におっさんのささやかな笑い声とぼやきが静寂な車内にこだまする。
デッキに行った彼は二度と座席に戻ることなく…新宿着。
降りしなに興味本位で声の主を覗きこむと…
ピンクのランニングにピンクの短パンを履いた長髪のおっさんが、グラサンかけて窓の外を
眺めてたよ。
金返せ。。。