以前Blogに記載した、相模大野駅前西側地区再開発事業が随分進展してきました。
既存建築物の解体が大詰めを迎えていて、いよいよ駅側の雑居ビルの取り壊され
始めていますよ…。
営業していた頃、沢山スタンプを集めてたサブウェイが
入っていたビルも、長い間廃墟状態になっていた西友も
なくなって、現在はウタヒロやベローチェが入っていた
ビルの解体に入っている模様…。
解体作業が進む一方で、少しずつ新たなビルの基礎工事も始まっていて、二年後
にはこの辺もすっかり様変わりしちゃうだろうな…。
この地区は15年くらい前から再開発の計画があって、高島屋とかビブレ
(現マイカル)がテナントとして入る予定があったけど、不景気や何やらで
何度も頓挫し、ようやく去年位から再始動…。
どうやらキーテナントとしてシネコンが入るらしいけど
会社は正式発表されてない…。
流れからするとワーナーマイカルかな?
いつの間にかこんなページが出来てました。
「開発」って言葉はいろんな分野で様々な使われ方をしてますが…。
自分が今までに仕事で関わった「開発」と言う言葉は二種類。
一つはITの分野で、アプリケーションソフトの設計作成等を意味する「開発」。
もひとつは、土地の区画、形質変更を意味する「開発」。
ここんとこ測量話をしているので、今日は二つ目の土地の区画、形質変更に
関する「開発」について語ってみようかね…。
測量屋さん(土地家屋調査士事務所)は、主に不動産屋さんからお仕事をもらうのですよ。
「土地の区画切ってくれ」とか「地積更正してくれ」ってな形でね。
この「土地の区画を切る」と言うのが、いわゆる分筆と言うやつです。
イメージ的には、それをまあ、大規模にして3D的にしたのが「開発」って感じかなwww
「開発」は「分筆」と違って設計が絡んでくるからね。お仕事的にも高度になるし、
面白い。でも、自分が仕事してた頃は不景気の真っ只中やったから、1000㎡~2000㎡
前後の「プチ開発」的な仕事が多かった。
さっきから開発開発って連呼してるけど、この「開発」と呼ばれる言葉には幾つかの
条件と言うか定義づけがありまして…。
まずは「1000㎡以上の土地に於いて、土地の形質変更を伴う場合。」
簡単に言うと土を盛ったり、切り崩したりして整地する場合ね…。
土の切り盛りだけでなく、道路を入れたりする場合も「開発行為」とみなされるのよ。
今の建築基準法ではさ、家って幅4m(開発の場合は6m以上の道路)以上の道路に接して
ないと駄目って決まってて…、ほら、火事の時とか消防車が入られへんやん?
そやから区画を沢山切る場合なんかは、中に道路を入れざるを得ん場合が多々あるわけさ。
それから「1000㎡未満であっても一土地に10世帯以上の住居を計画する場合。」
アパートとかマンションでね、10部屋超えると必要になる訳だわ。
まあ、他に色々細かい話もあるわけやけど、こんなような条件に適合した場合は
「開発行為」とみなされるんですわ。
「開発行為」とみなされた場合、建築許可と別に「開発許可」が必要になるから、お金が
かかるし、色々制約なんかも増えて面倒なのね。例えば計画地の中に「ごみ収集場所」
を設けるとか、マンションの場合は駐車場の設置とかね。
不動産屋の心情としては、限られた面積の中で、出来るだけ沢山の戸数を売りたい訳さ。
あとさ、道路は最終的には1項1号道路として市町村に寄付する事になってて、地主と
しては利益がないから、出来るだけ道路としての面積を取りたくないのよ。
まあ、そんなこんなで、1000㎡前後の小さい土地じゃ、なるべく「開発行為」には
しないで、でも宅地面積は沢山取りたい訳ですよ。
そんな不動産屋の要求を基に設計を進めていくわけですが、これがなかなか難しい…。
建築基準法では用途地域とか場所によって最低敷地面積ってのが決められててね、その
最低敷地面積ギリギリで何区画取れるかを計算していくのです。
まるでパズルみたいに道路を入れたり、区画を割ったりしては三斜面積を出すと言う
行為を繰り返す…。
道路のスミきり、ゴミ集積所、電柱や道路灯の配置、高低差がきつい場合は擁壁も設置
するから、条件によって、実際建物が建てられる面積は、随分少なかったりする。
測量やさんはね、夜は机上でそういった設計やって、昼間は現場でモルタルこねて石
入れしたり、測量する為に背の高さくらいある草刈りしたり…まあ、大変ですよ。
楽しいけどね。お給料が…。(あの頃はね)
30cm前後の小さい穴を深く掘る際に使用する。
今日、仕事帰りに神谷町の駅に向かって歩いていると道路と歩道の間の植込みの
とこでザックザックと穴を掘る音が…。
「もしや!!」と思い音のするほうを見ると、ダブスコで穴を掘ってる人たちを発見。
その傍らにはトランシット(測量機)で位置を測ってる人が…。
これは明らかに埋石作業ですな…。
懐かしい…。
測量の仕事してた時には毎日のようにこういった作業をやっていたものですよ。
まずは現況を測量して図面作って、道路査定図なんかを元にして境界石の埋石位置を出して、
トランシットにデータ入れて正確な位置に境界石を入れる…。
モルタルをこねて境界石の周りに流し込んで根巻きした後、トランシットで少しずつ微調整…。
でも、地図に残る仕事って素敵よね。いつでもそこに行けば自分が測量して、位置出しして、
埋石した境界石が残ってる。これはすごい事よ。
気がつけば、ここは国道1号線!!
花の東海道ぢゃないか。
日本を代表する国道1号線の位置を決めるって考えると、なんかカッコええよね。
でも国道ってことは石(境界杭)もかなりでっかいはず…。
民石って呼ばれる民地側から入れる境界石は長さが30cm程度やからさほど苦にはならんけど
電力会社の杭とか、電鉄会社の杭はやたらとでかい…。
長さが1m位のやつもあるから、相当深くまで穴掘って、しかも斜め向いてると入れ直し。
でも一回穴に落とし込むと重くて簡単には取り出せんからね、
めっちゃ大変…。
そやけど、なんでこんな夜遅くに埋石なんかしてるんやろ…。
時刻はPM10:30位、トランシットって暗いと全然見えへんのよ。
そやから普通は昼間に現場作業やって、夜は事務所もどってCADで図面描いてるんやけどね。
なにはともあれ、今日を機に数日間は懐かしの測量話を書いてみようかなと思ったり。
測量って、こう見えてなかなかロマンのある仕事なのよ。